今日は、令和7年度 第38問について解説します。
共同住宅における防火管理に関する次の記述のうち、消防法等の規定によれば、正しいものはどれか。
① 防火対象物は、不特定多数の人が出入りする店舗やホテル、劇場などの非特定防火対象物と、事務所や共同住宅など利用者が限定されている特定防火対象物に分類され、設置する消防用設備等の基準や防火管理体制が異なっている。
② 主要構造部が耐火構造であるなどの一定の構造要件を満たす共同住宅は、消防設備等の設置が緩和される特例が設けられている。
③ 共同住宅においては、収容人数が30人以上の場合、防火管理者を定め、防火管理を行うための消防計画を作成させ、必要な業務を行わせなければならない。
④ 消防用設備等の設置及び報告が義務づけられている共同住宅等の所有者、管理者又は占有者は、消防用設備等の点検を行い、その結果を毎年、所轄の消防長又は消防署長へ点検報告書として提出しなければならない。
解説
防火管理に関する問題です。
それではさっそく選択肢を確認しましょう。
選択肢 ①
防火対象物は、不特定多数の人が出入りする店舗やホテル、劇場などの非特定防火対象物と、事務所や共同住宅など利用者が限定されている特定防火対象物に分類され、設置する消防用設備等の基準や防火管理体制が異なっている。
×不適切です
防火対象物は用途によって「特定防火対象物」と「非特定防火対象物」に分けられます。
特定防火対象物とは、不特定多数の人が出入りする建築物や、火災時の避難が困難と予想される店舗・集会施設などを指します。
非特定防火対象物とは、施設の住人や従業員など特定の人が利用する建物で、避難が比較的容易であると考えられるもので、複合用途建物以外の共同住宅が該当します。
特定防火対象物と非特定防火対象物では、特定防火対象物の方が消防法上の義務や基準が厳しくなっています。
つまり、防火対象物は、不特定多数の人が出入りする店舗やホテル、劇場などの特定防火対象物と、事務所や共同住宅など利用者が限定されている非特定防火対象物に分類され、設置する消防用設備等の基準や防火管理体制が異なっています。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ②
主要構造部が耐火構造であるなどの一定の構造要件を満たす共同住宅は、消防設備等の設置が緩和される特例が設けられている。
〇適切です。
共同住宅は火災時の危険性が比較的低いことから、一定の構造要件等を満たす場合には、
消防用設備等の設置が緩和される制度があります。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ③
共同住宅においては、収容人数が30人以上の場合、防火管理者を定め、防火管理を行うための消防計画を作成させ、必要な業務を行わせなければならない。
×不適切です
収容人数が50人以上の非特定防火対象物(共同住宅)では、防火管理者の選任が必要です。
管理権原者は、一定の有資格者の中から防火管理者を選任し、消防計画を作成させ、計画に基づく業務を実施させる義務があります。
つまり、共同住宅においては、収容人数が50人以上の場合、防火管理者を定め、防火管理を行うための消防計画を作成させ、必要な業務を行わせなければなりません。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ④
消防用設備等の設置及び報告が義務づけられている共同住宅等の所有者、管理者又は占有者は、消防用設備等の点検を行い、その結果を毎年、所轄の消防長又は消防署長へ点検報告書として提出しなければならない。
×不適切です
防火対象物の関係者(所有者、管理者、占有者)は、設置が義務付けられた消防用設備等について定期的に点検を行い、その結果を消防長又は消防署長に報告する義務があります。
点検には、6か月に1回行う機器点検と、1年に1回行う総合点検があり、点検結果の報告は、共同住宅等では3年に1回、特定防火対象物では1年に1回、点検報告書を提出して行います。
つまり、消防用設備等の設置及び報告が義務づけられている共同住宅等の所有者、管理者又は占有者は、消防用設備等の点検を行い、その結果を3年に1回、所轄の消防長又は消防署長へ点検報告書として提出しなければなりません。よってこの選択肢は不適切です。
以上から、正解は選択肢②となります。
